dimanche 24 novembre 2013

コロンビア大学での医学哲学会議から (3)

Prof. Nancy Cartwright (UCSD & Durham Univ.)


会議三日目はコロンビア大学の疫学部門が主催の会であった

テーマは、疫学における説明と予測

医学だけではなく、行動科学、経済学、政治学からの発表があった

一つの話題は、科学で極めて重要になる因果関係とか因果律と言われる概念

大きく3つの考え方が取り上げられていた

第一は、デイヴィッド・ヒューム(1711-1776)の規則性に基づく説である

Aという出来事の後に例外なくBという出来事が観察された時に限り、AがBの原因になっているとする

第二は、ナンシー・カートライト(1944-) さんなどが唱える確率に基づく説

Aという出来事がBの確率を上昇させる場合に限り、AがBの原因になっているとする

第三は、デイヴィド・ルイス(1941-2001)のカウンターファクチュアル理論がある

これは、もしAが起こらなかった場合、Bは起こらないはずだと言えるかどうかを基にしている


19世紀の科学における因果律は、完全な規則性に基づく説を採用していた

疫学の場合には、不完全な規則性に依存することになる

因果関係を明らかにするのは、説明するためであり、予測するためでもある

説明は理解に不可欠であり、予測は有効な行動に不可欠である

疫学は法則を求めるのではなく、因果関係を明らかにしようとする

カートライトさんは、黄金の方法とされるランダム化比較試験(RCT)の有用性を検討していた

まず、AがBの原因である証拠として7つのカテゴリがあることを示す

その上で、個別研究の集合を解析する場合と比較していた

その結果、RCTが明らかにする証拠は1つのカテゴリなのに対して、後者の場合には5つに及ぶことを明らかにした

原理的には、個別研究の集合解析はRCTに何ら劣ることはないということになる


考えるべきことの一つは、疫学の目的は世界を理解することなのか、世界を変えることなのかということ

両者は二律背反ではないが、二つの違いはその後の方向性を変えることになる

世界を変える場合には、具体的な政策決定が絡み、各政策の有効性の検討が必要になるからである

世界を理解する場合には、原因を見出し説明することに重点が置かれ、予測へと繋がる

相関と因果性は区別しなければならないが、相関が役に立たないわけではない

因果性が確立されていない段階で、危険を避ける行動をとることができるからである

疫学は説明ではなく、行動の決定に寄与する学問であるべきだという考えが出されているようだ




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